外壁塗装の見積もり書の見方やチェック必須項目、担当者に確認すべきポイントをまとめました。
外壁塗装の見積もりを数社に依頼すると、当然ながらそれぞれ異なった価格が出てきます。これは、業者によって計算方法が異なるからです。
外壁塗装の見積もりは、作業環境、塗装の工法、現在の塗膜の状況、会社の利益に対する方針によって決まります。
見積もりの算出方法としては、現在の塗膜の状況を確認し、適した工法を決め、作業性に応じた工事費用を計算するのが一般的。そして、会社の方針によって利益をどれくらい計上するかどうかを決めます。
注意したいのが、A社とB社で同じ100万円の提示金額だったとしても、内訳が異なる可能性があるということ。
例えば、A社の場合は、工事に必要な下地処理と工程を提示しているため工事原価が高くなってしまうのに対して、B社は「特殊な素地を使う」と言って膨大な価格を提示し、実際にはA社よりも多くの利益を得ているというケースもあるのです。
逆に、価格が安い場合は、A社は「作業環境が良いから」という的確な判断で値引きをするのに対して、B社は下地処理などを手抜きし、工事原価を下げることで利益を水増しするといったケースもあり、一概に安いからいい、高いからダメとは言えないのです。
次に、見積書をもらった時にチェックするべき5つのポイントをご紹介します。
外壁と屋根、雨戸などに使われている塗料のランクはすべて同じであることが鉄則です。外壁にシリコン、雨戸にウレタンなど、ランクの異なる塗料を使うと耐久年数が異なるため、数年後には「雨戸の塗装は剥がれていて、外壁はきれいなまま」になってしまいます。
雨戸など、細かい部分のためだけに足場をかけて工事をするのは現実的ではありませんから、壁が劣化するまで我慢しなければなりません。見積書が安いと思ったら、別のランクの塗料が混入していないかどうかを確認してみましょう。
外壁塗装は3度塗りが基本です。下塗りが1回、中塗りと上塗りは同じ塗料を使い2回塗ります。こうすることで、塗料本来の性能が発揮できるのですが、なかには中塗りをせず、最後の塗料のみで仕上げて材料費を浮かして「良心的な業者」であるかのような振りをする業者もあるので注意しましょう。
ケレンとは、下地処理のひとつで塗装面を専用のやすりで削りサビを取る作業です。この作業をせず、古い塗膜の上から塗料を塗ってもすぐに落ちてしまうため、この工程は非常に大切です。ところが、手作業で行う作業のため、工期短縮や人件費削減のためケレンをやらない業者もあります。
見積書に書かれている塗装面積は、業者によって多少なりとも違いがあります。塗装面積のおおまかな算出方法は「延床面積×3.3×1.2」となります。
この数値からあまりにもかけ離れている場合はその業者は避ける、もしくは、算出方法の理由を確認してみると良いでしょう。
工事後のトラブルとして「見積もり書になかった工事費用を追加で請求された」というケースもあります。施主自身が施工箇所をしっかり把握しておくとともに、見積書の内容と照らし合わせて過不足がないかを業者とともに確認しておくと安心です。
A社の見積もりには入っているが、B社の見積もりには含まれていないといった差がある場合は、必ず確認を取るようにしましょう。